2015年9月4日金曜日

Funky Net Radio(後半)


Funky Net Radio(後半)



 
浅川貴志さんのインターネット・ラジオ番組、「Funky Net Radio」、私が出させていた

だいた回の後半が公開されました。

 


 

(以下、読んでいただければ幸い)

 

 いや~バカです、今回は(笑)。実はもうすでにビールを三杯くらい飲んでしまってからの収録だったものでして……あ、でもでも、こういう「おバカなナカハタ」の方が、私の授業を知っている学生諸君や元学生諸君には、むしろおなじみだったり(笑)。

 谷川俊太郎さんの詩は、もちろん、前もって準備しておいたものです(笑)。実は収録に先立つ打ち合わせで、浅川さんから「ロックあるいはポピュラーミュージックと哲学」みたいな感じで話をしたいなぁといったご提案があったもので、で、私に何か話せるとしたら……曲については絶対に話せないだろうから(ええ、何にも分ってないもんで^^;)、まぁ、歌詞についてかな……じゃあ、もっとさかのぼって言葉の問題に……みたいな感じで、この詩を選んだわけです。ちなみに私、哲学史の授業でアリストテレスのカテゴリー論について話をする際に、たまにこの詩を取り上げてたりします(そしてちなみにちなみに、今回、ロックやポップミュージックについて「学問的に」書かれた本なんかも、何冊か読んでみたんですけど、面白いものもあり、つまらないものもあり……総じて言えるのは、なんと言うか、書き方と内容についての必然性が感じられるものは、ほぼ全くありませんでした。つまり、学問的に語るその内容が、たまたまロックやポップミュージックであるだけじゃないかと、どうしてもそういう印象を受けてしまうものばかりでした。今回、そういった語り方は絶対にしたくはない、という想いはありました)。

 ところで私、以前、コアな現代詩ファンの集まりにしばらく顔を出していたことがありまして……その集まりではこの詩の評価は、ちょっと微妙でした(というか、谷川さんの評価そのものがちょっと微妙でした。つまり、そういう集まりだったわけです 苦笑)。でもやっぱり、これは良い詩だと思います。朗読してくださったアシスタントの吉野さんが、収録後も私がプリントアウトして持って行ったものを熱心に黙読し続けるお姿が、それからお帰りの際に「これ、いただいていいですか?」とまで言って下さったのが、とっても印象的でした。

 それから「余白」について……。いやはや、浅川さんという方は、本当によく相手の言葉をひろって下さる方です。番組の中でも言われているように、この言葉、収録前の打ち合わせの時に私が何度も口にした言葉なんですけどね。なぜかというと、今、哲学の問題として私が一番関心のあるテーマの一つだからなんです。でも、そういう言わば「思い入れ」の強い言葉について語る時って、人は大抵、わけのわからないことを言ってしまうものです(いや、私だけかな?^^;)。浅川さんにとっても、私の話は「???」だったかもしれません。にもかかわらず、私にとって大事な言葉(と思われる言葉)だからこそ、なんとか共有して話題にしようとしてくださいました。まことにまことに、感謝感謝!でございます。そういう浅川さんの思いやりに答えるためにも、近いうちにこの「余白」について、特に「余白とロックやポップミュージック」というかたちで、ちゃんと何か書いておかなければと、想っております。

 

 その他にも諸々、今回番組に出させていただいたことについて、いろいろな想いがありますが、とにかく、収録はとってもとっても楽しく(そしてビールもとってもとっても美味しく 笑)、近年まれにみるほどの幸せな時間を過ごさせていただきました。浅川さん吉野さん、本当にありがとうございました!

 

 ……あ、大事なことを書き忘れるところでした。今回流れる浅川さんの曲、「とある通行人のためのレクイエム」、名曲ですよ。みなさん、ぜひぜひ聴いて下さい。