2016年11月14日月曜日

「第十六回 竹林茶話会 哲学cafe@柏bamboo」開催後記


「第十六回 竹林茶話会 哲学cafe@柏bamboo」開催後記



1112日、「第十六回 竹林茶話会 哲学cafe@柏bamboo」が開催されました。

テーマは「言いたいこと、言えてますか?」

 参加者はマスターと私を含めて14名。理想的な人数、そして、今回も初参加の方々がおられ、充実した時間となりました。

応援していただいた皆さま、ご参加いただいた皆さま、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。


さて今回、対話の内容はさて置き(笑)、二つ、新しい手法を導入してみました。

一つは、対話に先立ち、参加者の皆さんに私から質問をさせていただき、それに対する回答を紙に書いていただく(5分ほど時間をとりました)、そしてその後、順番に回答を読み上げていただく、という方法です。
実はこれ、私がこれまで参加させていただいた哲学カフェや哲学対話で学ばせていただいた方法なのです(特に、「対話の実験室@公--転」の佐野さん、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます!)

結果として、参加者の方々の自発的な発言を待つという仕方よりも、参加者の間に「対話に参加している」という意識が強くなったように感じられました。また、他の参加者の発言を文字を追いながら聞けるため、参加者間での質問などもしやすかったようにも感じられました。

そして二つ目。私としては、どちらかというと、こちらの方に「秘密兵器」的な期待を込めていたのですが……
それは、三種類のカードの導入でした。
そして、三種類のカードとは……

「そろそろ……」
 
「ちょっと……」

「???」

あらかじめ申し上げておきます。この方法は、やはり哲学カフェ・哲学対話主催者の、私にとってはもはや盟友も呼ぶべき(ちょっと失礼かもしれませんね、一応ここで謝っておきます、ミツルさん、ごめんなさいごめんなさい^^;)、「対話学舎えんたらいふ」の齊藤ミツルさんの方法を参考にさせていただきました。

え~っ、齊藤さんの方法を参考にさせていただいた、と申しましても、実質的にはまったく違う方法となっておりまして……とはいうものの、ここで齊藤さんの方法を勝手にご紹介するのは少し気が引けますので、私がこれらのカードをどのように使ったか、ということだけを報告させていただくことにしますが、

今回、私は参加者の方々全員に、この三種類のカードをお配りしました!(すごいでしょ、ミツルさん!? 笑)

で、どういう使い方をしたかと申しますと……

「そろそろ……」カード
ある参加者の発言が「長い」と感じた時に、他の参加者は自由にこのカードを掲げることが出来る。このカードが提示された際には、発言中の参加者は発言の途中であっても発言を中断しなければならない。

「ちょっと……」カード
「人の話はちゃんと聞く」を基本ルールの一つとしている竹林茶話会ではあるが、ある参加者の発言の途中、発言をさえぎってでも意見を言わなければ気がすまないという気持ちになった参加者は、このカードを提示すれば、他の参加者の発言途中であっても発言することができる(もともとの発言者の発言をどのタイミングでさえぎるかは、主催者権限で決定させていただきますです、ハイ)。

「???」
ある参加者の発言が、あまりにも意味不明・理解不能だと感じられた際には、発言の途中であっても、他の参加者はこのカードを提示することができる(このカードの意味するところは……説明不要かと、ハイ)。発言中にこのカードを提示された参加者は、大いに頭を冷やさなければならない。

(どうですどうです!?すごいでしょすごいでしょ!?ミツルさん!? 笑)


ここで、二つのことをくれぐれもお断りしておきます。

一つ目。先ほどご紹介した齊藤ミツルさんが主催なさっている哲学対話では「そろそろ……」カードは存在しますが、使われ方はまったく異なります。そちらでどのような使われ方がされているのか興味のある方は、ぜひとも「対話学舎えんたらいふ」さんのイベントにご参加ください。

二つ目。これらのカードの使用は、あくまでも「発言者への愛」を大前提としてのみ使用が許可される、ということです(笑)。

この二つ目、実は今回のテーマである「言いたいこと、言えてますか?」ということと関係があったりします。というのは、実は「言いたいことが言えなかった」と後悔する機会が多いのは、実は、比較的頻繁に発言をしてくださる参加者の方、しかも、他の参加者の方々に理解してもらいやすいようにと気を使って発言をしてくださる参加者の方なのではないかと、これまで主催者・ファシリテーターの経験の中で私が感じてきたことであり、解決しなければならない問題の一つであると想っているからです。

対話の場は、個人の意見発表の場ではありません。参加者の一人一人が、まとまった、わかりやすい話をしなければいけないなどということは、決してないのです。むしろ、荒削りでも不完全であってもいい、一つの発言をきっかけとして言葉のやりとりが広がってゆく、それが対話の場であると、私は考えます。

そういったわけで、発言の際の参加者の方々の心的負担を少しでも減らすべく考案したこの方法なのですが、さて、成果は……まぁ、あまり誇張した報告は控えますが(笑)、ただ、このカードを使用しつつ、参加者の方々の間でいくつかの楽しそうな場面があったこと、今回、私にとっての大きな喜びでした。

 
さて、次回、1第十七回「竹林茶話会 哲学cafe@柏bamboo」は、1210日に開催予定です。

現在、テーマはまだ決まっておりませんので、「こんなテーマで対話がしてみたい」といったご希望のある方は、ぜひぜひお知らせください!

次回、どんなテーマで、どんな対話となるのでしょうか?

次回もたくさんの方々のご参加を、お待ちしております!


(……と、いつもならここで、あくまでも、どこまでも、さわやかにさわやかに終わる「開催後記」なのですが、今回、実は主催者・ファシリテーターとして、中畑、ちょっと想うところがございました。はい、かな~り、毒を含んでおりま(笑)。ということで、このことについては別件ということで、いずれこのブログで発表させていただきたいと思います。)

 
今回はご紹介した本です。Amazonアソシエイト(アフィリエイト))
山田ズーニー『あなたの話はなぜ「通じない」のか』(2006年、ちくま文庫)
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