「第九回 竹林茶話会 哲学cafe@柏bamboo」開催後記
4月9日、「第九回 竹林茶話会 哲学cafe@柏bamboo」が開催されました。
テーマは「女子力」。参加者は19名と、竹林茶話会史上屈指の多人数での開催となりました。また、テーマに関心をもって下さりはるばる遠方から柏まで来ていただいた方や、初めて参加してくださった方々もいらっしゃり、充実した楽しい集いとなりました。応援していただいたみなさま、ご参加いただいたみなさま、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
さて、今回の対話の内容についてですが……実は私自身がみなさんの対話にたいへんな刺激を受けてしまいまして、現在、「女子力」というテーマが哲学研究者としての私自身のテーマとなりつつあります。そこで、今回の対話の内容をふまえて私自身の考えるところなどを、いずれ機会を改めて報告させていただきたいと思います(今回最後にご紹介した本についても、その際にあらためてご紹介させていただきます)。
ただ一つだけ、直接にテーマとかかわることではないのですが、今回の対話での素晴らしい出来事をご報告いたします。それは今回、対話の前半までは参加者のほとんどが「女子力」という言葉そのものやこの言葉が使われる風潮などに否定的な印象を持っているように思われたのですが、後半になってある参加者のご発言をきっかけとして、そのようなことをむしろ肯定的にとらえなおす参加者が増えた、ということです。今回の集いでも少しお話させていただきましたが、哲学カフェは「対話」をする場なのであって、いわゆる「ディベート」をする場ではありません。ディベートでは一般的に、参加者が一つの立場を主張しつづける、あるいは一つの立場を守り抜くことが求められるのですが、「対話」においては途中で参加者の考え方が変わることがあっても全くおかしくはないのですし、また、自分の考え方が変化しつつあることや変化してしまったことなどを実感できるところにも、対話という営みの大きな魅力があるのだとも思います。そのような意味では、今回の集いではまさに哲学カフェらしい、理想的な対話が展開されたと思います。
あ、ごめんなさい、それからもう一つだけ。冒頭でもご報告いたしましたが、今回は19名という多人数での対話となりました。実は哲学カフェには参加者の人数を制限しているところも多いのです。いやむしろ、そういう哲学カフェの方が主流であるとすら言えるかもしれません。たしかに、対話を行うためにはあまり参加者が多すぎても困るということなど、参加者の人数を制限することにはもっともな理由があるのですが……ですが今回、19名という人数で対話を行ってみて、私は決意しました。竹林茶話会では当面の間、参加者数を制限することは、いたしません。なぜそのように決意したのか、それは今回の対話に参加してくださった方々には実感していただけたことと思いますが、参加者が多いにもかかわらず「対話の場」はきちんと成立していたからです。なぜ多人数にもかかわらず対話の場がきちんと成立するのか、それは竹林茶話会が回を重ねるたびに帯びるようになってきた「個性」、他の哲学カフェにはない独特の「個性」のおかげであると、私は想います。さて、その「個性」とはどういったものなのか、それについてもまた機会をあらためてお話させていただきたいと思います。
さて、第十回目となる次回「竹林茶話会 哲学cafe@柏bamboo」は5月14日の開催を予定しております。さて、どんな対話となるのでしょうか。次回も「たくさんの」方々のご参加を、お待ちしております!