「第三回 竹林茶話会 哲学cafe@柏bamboo」開催後記
10月17日、「第三回 竹林茶話会 哲学cafe@柏bamboo」が開催されました。今回も対話のための理想的な人数が集まっての開催となりました。ご参加いただいたみなさん、応援していただいたみなさん、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
さて、今回の対話は主催者中畑の思いもよらなかった、面白い方向に展開してゆきました。「身体」がテーマであったはずが、特に前半のほとんどの時間、「心」や「魂」といった人間の「内的なもの」についての対話となりました。「人間機械論」といった近代の哲学的な議論、さらにはその延長線上にある近代医学の発達の最前線にある現代において、魂や精神といったものの存在が疑わしいものとされているものと思いきや、少なくとも今回ご参加いただいたみなさんの中ではそういったものの存在を確信している人々の方が多数派であったということは、私にとっては一つの大きな「発見」でした。
また、「内的なもの」の方向に話はさらに深く展開してゆき、「遺伝子」や「DNA」といった、きわめて現代的な問題についてまで対話はおよびました。もしかしたら、遺伝子やDNAについての話というのは、伝統的には「魂」とか「精神」といった言葉で語られてきた人間の「内的なもの」についての話の、現代版なのかもしれませんね。
さらにまた、「身体との正しい付き合い方」や「日本人にとっての身体」といった、文化や伝統とかかわる話題についても、対話は広がってゆきました。
ところで今回は一つの試みとして、対話に先立ち、哲学の歴史における専門的な議論を、ごくごく簡単にではありますが、中畑が紹介いたしました。しかし対話そのものは、むしろ伝統的な哲学的議論にはおさまらないような話題にまで広がってゆきました。主催者としては、やはり哲学的な問題について考えることを専門家だけに独占させておくのはもったいないという思いを新たにし、また、参加者のみなさんによって哲学的対話の魅力が大いに引き出された今回の竹林茶話会であったと思っています。
そして対話の最後には、いずれは今回とは逆に「心」や「魂」や「精神」といった「内的なもの」をテーマにしようと、参加者のみなさんの中から自然に新たなテーマが決まっていったのでした。ところでそうなった場合、やはり今回とは逆に、身体についての話が盛り上がるのでしょうか?……そうなったらそうなったで、またまた面白い展開になりそうですね。
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